
宮城県北西部に位置する大崎市は、「世界農業遺産」に認定されたまち。広大で肥沃な「大崎耕土」の恵みを受けて「ササニシキ」「ひとめぼれ」など日本を代表するお米の誕生の地でもあります。世界が認めるこの豊かな自然環境の中に生きてきた野生鳥獣たちの肉の味わい「大崎ジビエ」は、野生味溢れ、そして滋味深く、舌の肥えたグルマンたちを魅了しています。


人と水と自然が織りなす
ジビエの郷・大崎
長い歴史の中で、人と自然とが共存する独自のシステムを作り上げてきた農業のまち・大崎。近年はイノシシによる農作物被害が深刻化していました。そうした中、「大崎ジビエ」ブランドは、農作物被害の軽減を図るための策であるだけでなく、廃校となった小学校を処理場として利活用することを通して新しい産業を生み出し、さらには「おいしいジビエの郷・大崎」という新しい地域ブランド価値を創造していきます。

大崎市について
大崎市は宮城県の北西部に位置し、東西に約80キロメートルの長さを持ち、奥羽山脈から江合川と鳴瀬川の豊かな流れによって形成された、広大で肥沃な平野「大崎耕土」を有する四季折々の食材と天然資源、そして地域文化の宝庫です。平成29年12月、FAO(国連食料農業機関)より「持続可能な水田農業を支える「大崎耕土」の伝統的水管理システム」が世界農業遺産に認定されました。

増加するイノシシと
ジビエ対策
近年、各地で野生鳥獣による被害が拡大を続けています。大崎市でも野生鳥獣、特にイノシシによる農作物被害が拡大を続けており、これまで対策として「捕獲対策」「侵入防止対策」「地域ぐるみの環境対策」の3本柱で対策を進めてきました。しかし農作物被害の拡大に歯止めがかからず、大崎市では第4の対策として「大崎ジビエ」を始めることとしました。


廃校を活用した
東北初のイノシシ肉の
処理加工施設の誕生
大崎市では、イノシシによる農作物被害のほかにも、少子高齢化により廃校となった学校の利活用が課題となっています。ジビエ事業の実施にあたり、この課題も併せて解決できるよう進め、廃校となった小学校を改修した、東北初となるイノシシ肉の処理加工施設が誕生しました。さらに、捕獲した有害鳥獣の中で食肉として利用できないイノシシ等の処理のため敷地内に減容化施設の整備も行いました。


おいしさと安全安心と
高鮮度を約束する仕組み
「大崎ジビエ」について
ジビエ食肉の品質は、捕獲、止め刺し、放血、止め刺しからの経過時間、運搬、解体や保存方法等、一連の処理方法により決まります。当施設では、専門の研修を受けた「ジビエハンター」が、捕獲の際の徹底した衛生管理、内臓や身肉を傷つけない止め刺し、迅速な放血等の適切な処理を行ったうえで、止め刺しから1時間以内に施設に個体を搬入するため、高い品質と鮮度を実現しています。また全国で様々な知識と技術を学んだ専門の職員が処理加工を行っているため、臭みが無く、イノシシ肉ならではの濃厚な肉の風味や甘くあっさりした脂の旨味を味わうことのできる高品質なイノシシ肉となっています。さらに搬入した個体はすべて豚熱検査、放射能検査を行い基準をクリアした個体のみを出荷するなど、これらを適切に行った安全・安心なジビエ食肉を「大崎ジビエ」として販売しています。


ジビエ食肉処理作業内容
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●個体の搬入
衛生管理や止め刺しなどの専門的な知識を有する「ジビエハンター」が止め刺しから1時間以内に個体を施設に搬入します。
-
●一次処理
搬入後すぐに専門の職員が個体の状態を確認しながら、内臓摘出、剥皮、洗浄を行い、冷蔵庫に保管して熟成します。
-
●豚熱・放射能検査
一次処理と併せて検体を採取し、豚熱及び放射能の全頭検査を実施。問題のない安全・安心なイノシシ肉のみが次の工程に進みます。
-
●精肉・加工処理
ロース、カタ、モモ等、カットチャートに基づいた部位ごとに切り分け、スライスやミンチ等の処理を行います。
-
●出荷
部位ごとに真空パック、金属探知を行ったうえで、各販売店に出荷します。
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●個体の搬入
衛生管理や止め刺しなどの専門的な知識を有する「ジビエハンター」が止め刺しから1時間以内に個体を施設に搬入します。
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●一次処理
搬入後すぐに専門の職員が個体の状態を確認しながら、内臓摘出、剥皮、洗浄を行い、冷蔵庫に保管して熟成します。
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●豚熱・放射能検査
一次処理と併せて検体を採取し、豚熱及び放射能の全頭検査を実施。問題のない安全・安心なイノシシ肉のみが次の工程に進みます。
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●精肉・加工処理
ロース、カタ、モモ等、カットチャートに基づいた部位ごとに切り分け、スライスやミンチ等の処理を行います。
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●出荷
部位ごとに真空パック、金属探知を行ったうえで、各販売店に出荷します。
ジビエ食肉処理加工施設
〈 施設概要 〉
・対象鳥獣:イノシシ
・部屋:剥皮室、体内洗浄室、加工室、包装室
・設備:プレハブ冷蔵庫、プレハブ冷凍庫、ホイストクレーン、
真空包装機、金属探知機、トレーサビリティシステム

有害鳥獣減容化作業内容
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●個体の搬入
大崎市内で捕獲された有害鳥獣が搬入されます。搬入された個体は専用のクレーンで重量を測り、そのまま上部投入口から装置に投入します。
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●常在菌の力で分解
装置内でおがくずと水を約60℃に温めることで、常在菌の力により個体を骨になるまで減容化します。
-
●約5日で処分
約50kgの個体を約5日で分解します。
(1基最大600kgまで同時に処理可能)
-
●おがくずは定期的に交換
使用したおがくずは、投入量約2,000kgを目途に取り出して焼却処分し、新しいものと入れ替えます。
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●個体の搬入
大崎市内で捕獲された有害鳥獣が搬入されます。搬入された個体は専用のクレーンで重量を測り、そのまま上部投入口から装置に投入します。
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●常在菌の力で分解
装置内でおがくずと水を約60℃に温めることで、常在菌の力により個体を骨になるまで減容化します。
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●約5日で処分
約50kgの個体を約5日で分解します。
(1基最大600kgまで同時に処理可能)
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●おがくずは定期的に交換
使用したおがくずは、投入量約2,000kgを目途に取り出して焼却処分し、新しいものと入れ替えます。
有害鳥獣減容化施設
〈 整備の背景 〉 捕獲した有害鳥獣は埋却や焼却などにより処分を行いますが、有害鳥獣の増加、またこれまで処分を行っていた焼却場が閉鎖することとなり、それに代わる処分場として整備しました。大型減容化装置2基を設置し、年間1,600頭程度まで処分が可能な施設です。
〈 施設概要 〉
・対象鳥獣:有害鳥獣全般
・設備:減容化処理装置(2基)、ホイストクレーン、
プレハブ冷蔵庫、倉庫、消毒層、その他

ジビエが実現する
SDGsのゴール
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●安全な原材料を確保することにより、
食べる人の健康を守る -
●捕獲・解体処理・調理における
衛生管理や取り扱い技術を習得する -
●狩猟現場は男の世界⇒
女性ハンター等性別に関わらず活躍する -
●捕獲個体の放置をなくし、ジビ工利用を
推進することで山、川を汚さない
●ジビエ利用の推進により、適正な頭数を
維持し、生態系を保護、回復させる -
●捕獲から販売まで、ジビエ周辺で多様な
技術革新が生まれ、地域経済が活性化する
●農家、林業従事者の仕事を守り、ハンター、
料理人もジビエで働きがいを感じ、
ビジネスとして成り立たせる -
●ジビエを中心とした
地域全体の産業の創出が可能に
●罠の見回り・トレサビリティ・Al、ドローン等
の技術でジビエの世界をサポート -
●野生動物との共生、農林業を守ることに
より住み続けられるまちづくり
●ジビエを媒介とした都市部と
農村部の新しいつながりの創出 -
●食肉処理施設は安全な食肉を提供、
料理人はいただいた命を余さず調理
●捕獲個体の廃棄の減少
●ジビエに関連する企業、
団体の参画・参入の促進
●ジビエを食べることで、地方や自然ヘ
アクセスすることができる -
●森林被害を改善し、
森が本来の姿を取り戻すことで、
山~海の豊かさを守る -
●ジビエでパートナーシップを
ジビエのバリューチェーンには、
さまざまな企業が参画できるポイントがあります。
ジビエを通じて、他企業や他団体と交流し、
新しい企業活動を見出すことができます。

運営・お問い合わせ
●施設の運営、
処理加工及び販売について
合同会社 ジビエの郷おおさき
TEL. 0229-87-8262
●ブランド事務局
おおさきジビエコンソーシアム
(大崎市 産業経済部 農村環境整備課)
TEL. 0229-23-2318
